ステーブルコイン、米国政府の重要な「戦略的資産」となる可能性=米ARK
2025-06-11 14:55:17

米国政府へ財政的メリットをもたらす

米ヘッジファンド大手のARK Investmentは5日に公開したレポートで、ステーブルコインが米国政府の財政戦略や米ドル覇権の維持において、重要な役割を果たす可能性を詳細に分析した。ステーブルコインが今後5年から10年で、米国政府にとっても最も重要な戦略的資産となる可能性があると主張している。

「ステーブルコインは米国政府の最も回復力のある金融同盟の一つとなり得る」と題したこのレポートでは、まずステーブルコインの急成長について言及。年初からその供給量は20%以上増加して2,470億ドル(約35.8兆円)となり、米国のM2マネーサプライ(現金や預金などの流動性資金)の1%を超えた。

ステーブルコイン市場を牽引するのは、テザー(Tether)社のUSDT(時価総額1,500億ドル=21.7兆円)とサークル(Circle)社のUSDC(610億ドル=8.8兆円)で、両社合わせてステーブルコインの85%以上の市場シェアを占めている。

ステーブルコインの発行企業は、準備金として米国の短期国債や現金同等物を保有し、価値の安定性の担保としている。そのため、ステーブルコインの急成長は、発行企業による米国債の大量保有を促し、米国政府にとって重要な財政的メリットをもたらすことにつながる。

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